長年思い続けていた夢が現実に。内製化したFileMakerに新しい命を吹き込む
バーコードリーダーで作業を可視化!生産管理システム
取材日
2023年5月26日
導入前の課題
・利用していたFileMakerのバージョンが古く改修が難しくなった
・複数ソフトを導入していたため管理が複雑化してしまった
要望
・複数利用しているソフトの機能をFileMaker一つで実現したい
・バーコードとモニタ画面をつかって製造工程を管理したい
・トレーザビリティを自動で取得したい
開発内容
バーコードリーダーで作業を可視化!生産管理システム
FileMaker Pro ver5 から ver19へバージョンアップ
FileMakerの拡張子がfp5以前の場合、拡張子fp5→fp7に変換後、拡張子fp7→fmp12に変換する必要があります。今回もご利用中のバージョンが5ということで、同様の措置を取る必要がありました。バージョンアップの対応とともに、最新のFileMakerに対応したデータ修正と追加開発に伴う現状のシステムの改修を対応させていただきました。
生産管理を可視化。各工程のモニタから作業進捗が確認可能に。
作業工程を可視化するために、製造工程の進捗をモニタで管理できるように開発しました。具体的には、受注内容から必要な製品の生産登録を可能に。登録内容に応じたバーコード付きの作業指示書を発行できるようにしました。
モニタは各製造現場に設置され、それぞれの部門で必要な作業内容、各作業の期日などが一目でわかります。作業指示書のバーコードを読み取ることで、誰が、何を作業しているのかをモニタに表示させ、進捗を可視化できるように工夫しました。
Story
30年前からClaris FileMakerを利用して現場の業務改善に取り組んできた常務取締役・工場長の梶山様にお話しをお伺いしました。
導入前の課題
30年前からFileMakerで在庫管理システムを内製化。
しかし、バージョンが古く時代に合わせた改修が難しく…。
自動車や飛行機、テレビモニタなど、「ものづくり」を行うためには、製品を設計・保証するための「測定」が必要です。私たちはそんなものづくりを行っている企業向けに、精密測定機器の設計、開発、販売および校正サービス(正しく測定できているかを確認する作業)を行っています。
年間で何千点もの製品が動きますので、その受発注や在庫管理は、30年前から自社で内製化したClaris FileMakerのシステムで管理していました。要望や時代の変化に合わせて改修していく中で、製造の生産管理も取り入れたかったのですが、利用しているバージョンでは機能に制約がありましたし、さすがにそれを一人で開発するには限度があると感じていました。そのため、他のシステムをいくつか導入してなんとか補っていましたが、それぞれに更新作業が必要だったため、管理はどんどん煩雑かつ複雑に。「なんとかFileMakerひとつで実現できないものか…」と何年も前から思い続けていたのです。そんな時、新潟県にClarisパートナーがいるということを知り、話を聞いてみることにしました。
導入前の決め手
やりたいことを、すぐに理解してくれた。
同じ新潟県にあることもそうですが、決め手は「私たちがやりたいことをすぐに理解してくれた」ことが大きかったです。今までも他のシステム導入のために色んな開発会社の方とお話してきましたが、どうしても機能範囲や金額で制限がかかってしまうことが多く、なかなか夢が広がりませんでした。 しかし、Pepoさんはそのハードルがなかった。お話をしても、提案内容をみても、私たち中小企業のやりたいことをきちんと理解していることが伝わり、これなら依頼しても大丈夫だと確信し、お願いすることにしました。
導入後の効果・評価
リアルタイムで作業の進捗を可視化。
各作業工程の現場では、生産状況や納期等の必要な情報が大型モニタにリアルタイムに表示されます。また、現在進行している作業は「白」、期日が遅れている作業は「赤」など色でも可視化されるため、作業の進捗状況が一目で把握できるようになりました。また、製造するスタッフにとっても、進捗を可視化したことで前後の工程も把握できるようになり、自分の業務が全体の業務に繋がっているという、スタッフのモチベーションにも繋がったと考えています。
紙管理からの脱却。トレーザビリティがデータ化されたことで課題検証も可能に。
トレーザビリティを細かくとれるようになったことも大きな効果です。今までは、スタッフが毎回手書きで日報を記録していたため、その紙の管理はもちろんデータを集めるのにも大変な作業でした。このシステムでは、スタッフは「誰が」「何を」「どうしたか(開始・中断・再開・終了)」のバーコードを読み取とってから作業を開始しますので、細かな作業ログが取得できます。事業報告に必要なデータが自動で取得可能になったうえ、そこから課題を検証できるようになったことも大きな改善です。
今後への期待
夢はまだ終わらない。さらなる機能改善に向けて。
製品をつくるためには、部品が必要です。今は製品と部品を分けて管理していますが、今後はその2つをリンクさせて、製品をつくるためにはどの部品が足らないのかを在庫状況から自動で判断できるシステムにしたいと思っています。ただ、まずは今のシステムを社内に浸透させてから。FileMakerは少しずつシステムを育てることができるのも魅力ですね。引き続きよろしくお願いいたします。
お客様情報
株式会社 大菱計器製作所
昭和24年創業(設立26年)以来70余年、精密測定基準器の専門メーカーとして、時代のニーズに即納する高精度で高品質の『信頼されるOKブランド』でオリジナル製品200種類を提供。また、お客様の要望に応じた各種の精密測定機器(自動計測機器)類の設計、販売、校正サービスを行い、モノづくり企業を支えている。