Webを活用して協会員とのデータのやりとりをスムーズに。
Web×FileMakerで実現した「施工確認申請システム」
取材日
2023年8月18日
導入前の課題
・月に数百件行われる工事の施工の適正を確認するための図面・データのやり取りをすべてメールで行っており業務が煩雑化していた
要望
・協会員との定型的な業務を自動化させたい
・データを一元化させ、案件を検索しやすく管理したい
開発内容
Web×FileMakerで実現した「施工確認申請システム」
協会員専用に施工申請Webサイトを構築
施工確認に必要な情報や申請書類をオンラインで提出できる協会員専用Webサイトを構築しました。協会員は確認に必要なデータやファイルを、入力フォームに沿って登録するだけで申請できます。
また、施工可否や適合証、申請不備の連絡なども申請サイトから随時確認することが可能です。
FileMakerによる案件管理で業務を簡略化
専用サイトから申請されたデータは、すべてFileMakerで開発した案件管理システム上で管理されます。このシステム内で、図面等のデータの確認、適合証の発行、ステータスの更新やお知らせ通知など、一連の業務に必要なデータをすべて管理することを可能にしました。
PDFのプレビュー表示で確認作業をスムーズに
設計確認のためには、協会員から提出された様々な資料を確認する必要があります。これまではメールに添付されたPDFファイルを案件ごとのフォルダへ仕訳し、毎回ファイルを開いて確認する必要がありましたが、Web申請されたPDFファイルは、FileMakerのプレビュー機能でダウンロード・ファイルを開くことなく内容を確認することを可能としました。
フォルダ作成の作業等も不要となり、管理のしやすいシステムを目指しました。
Story
本システムをご依頼いただいた長谷川様と実務担当である高橋様にお話しをお伺いしました。
導入前の課題
月に数百件の協会員とのやりとり。定型的な部分を自動化できたら…
私たちは、地盤改良の技術の一つである「CPP工法」の技術と資材を提供・販売しており、その工事に関わる技術的なサポートを行うために【CPP工法協会】を運営しております。
協会の業務の一つに、施工品質を維持するために、月に数百件行われる工事の設計が適切になされているかを図面や地盤調査結果などのデータをもとに確認する施工確認があります。これらの確認は、協会員からの申請により行いますが、年間5,000件を超える確認依頼はすべてメールで受付ていたため、データの管理等が煩雑化していることが課題でした。
協会員とのやりとりには定型的な部分が多かったこともあり、システムにすることで作業性や正確性、管理の簡略化が期待できたため、要望を叶えてくれるベンダを探していました。
導入前の決め手
短期納入と拡張性を含めた実装機能の自由度の高さ
システムを一から作るには多大なコストがかかることが予想されたので、検討当初からデータベースを用いたロ―コード開発をベースに考えており、新潟市内でFileMakerで開発を行うPepoさんにご相談させていただきました。
その中での決め手は、
・短期での開発に対応いただけたこと
・今後の拡張を含めた実装機能の要求に対して応えていただけたこと
でした。
協会員との契約更新のタイミングにサービスのリリースを間に合わせたいという想いがあり、たった2ヶ月間という短い期間の中でも、多くの要求に応えていただきました。また、ユーザー側(協会員様)の入力をデータベースでは無く、Webブラウザとして運用することをご提案いただき、高いユーザビリティが実現できたと考えています。
CPP工法は「関東地方発明顕彰」において新潟県知事賞を受賞。同工法を利用する協会員の満足度を高めるためにも、システムのユーザービリティを特に重要視されていた。
導入後の効果・評価
ユーザーフレンドリーなシステムに
社内での作業性が大きく向上したことはもちろん、データを送る協会員様側にも、「分かりやすくて使いやすい」との評判をいただいています。たまに使い方の問合せをいただくこともありますが、電話口でそれぞれ同じ画面を見ながら説明すると「あー分かった、OK!」ですぐに解決。UI/UXの構成など含めて、ユーザーフレンドリーなシステムが出来たと考えています。
密なコミュニケーションで常に共通認識をもって開発を進められた
リリースされてすぐにシステムだけで業務を開始しましたが、何の抵抗や不備なく特に迷うことなく使い始めることができています。というのは、開発段階でも齟齬のないよう打ち合わせを重ねていましたし、開発中は実際に画面を実務担当者と確認しながら、「ここを直したい」とか「この機能追加したいね」なんて話しながら、それに応えていただけたことにあります。色々思いつく限り依頼して対応していただいていました(笑)
共通の認識を常に持って進めていけたので、納品されたシステムには違和感などもなくすぐに導入することができました。
1つの案件あたり作業時間は5分以上短縮に。1日30~40件ほど対応するため、1日2~3時間の短縮に繋がった。
今後への期待
今回は、FileMakerとWebサイトそれぞれを使ったシステム開発となりましたが、基幹システムであるFileMaker部分での修正などは非常に速い一方、連動するweb側も同じぐらいの速度感がでたらな、と。どうしてもFileMakerとは開発の手法や依頼の締切に違いがあるのは仕方ないことも理解してますが、同じくらいのスピード感で開発が進められるとより良いかなと思います。
あとは、既存のシステムをより充実させていくための機能改修や追加開発も考えていて、仕様を検討中です。ただ、考えていくとどんどん必要な機能がでてきて(笑)社内で仕様が固まったら、また改めて依頼させていただきたいです。
お客様情報
有限会社丸高重量
地盤調査、地盤改良工事を行う会社。新潟県を中心に事業を展開し、一般住宅向けの地盤調査、地盤改良工事や杭打ち工事を行う。自社で考案・開発した鋼管杭の施工技術を活かした「CPP工法」は日本全国で8000件の施工実績があり、協会を立ち上げることでその工法の品質管理や普及に努めている。